東京ヴァルハラ異聞録

来る!


日本刀の柄に手を当て、いつでも抜けるよう神経を研ぎ澄ませる。


大友の手から放たれた矢が四本、高速で迫る!


だけど、四本のうち俺に向かっているのは一本だ。


扇状に射られた矢を避けようとすれば、それを囮にしたトドメの一本。


今、大友が引き直した矢に射抜かれるというわけか。


そう考えながらも、既に手は動いていた。


俺に向かってくる一本を鞘で弾き、他の三本は床や壁に当たる。


「理屈がわかればくだらない攻撃だな。俺がそんな誘いに乗るとでも思った?」


「……お前はわかっていない。少し強くなったと勘違いしたやつは、自信満々に同じセリフを吐くんだ」


負け惜しみかと思ったけど……どうやらそうではなさそうで。


鞘で弾いた矢が、くるくると弧を描き、目の前に落ちて来たかと思った瞬間。


ピタリと空中で動きを止め、俺に向かって再び迫ったのだ。


「何っ!?」


慌ててもう一度弾くが、さらに空中で動きを止めて襲い掛かる。


いや……それだけじゃない!


逸れたと思った残る三本の矢も、向きを変えて俺へと迫っていた。


こんな攻撃をしてくるとは!


今まで出会った、どんな弓使いよりも強い!