東京ヴァルハラ異聞録

外に出た俺は、空を見上げて大きく伸びをした。


太陽は頭上で輝き、大体12時頃だと言うのがわかる。


「ここは……どこだ?この前、黒井と戦った所とは違うよな?」


「昴くんがあんな状態だったからね。少し離れた場所まで逃げたんだよ」


そうか……沙羅や美姫にも迷惑をかけたんだな。


それに、秋本や吉良、拓真がいなければ確実に殺されていた。


あの三人にも感謝をしなければならないな。


「じゃ、黒井を探す為に屋上に上がるか。運が良ければ大友が俺達を見付けてくれるかもしれないしさ」


俺の言葉に、驚いた表情を浮かべた沙羅。


「運が良かったらって……忘れたの?昴くんは大友にさえ勝てなかったんだよ?今の沙羅ならなんとかなるかもしれないけど……あれから強くなっていない昴くんが勝てる相手じゃないよ」


「ははっ。なかなか辛辣な指摘だなぁ。確かにあの時は勝てなかったけど……次はやってみないとわからない。だろ?」


伊達に何千回と殺されたわけじゃない。


あの世界での戦いが、どれほど俺の力になったのかはわからないけど、妙にスッキリとした感覚がある。


沙羅にそう言って、俺達が出たビルを見上げた。