「ぷはぁ、食った食った。じゃ、行くかな」
カツ丼を食べ、容器をビニール袋に入れた俺は立ち上がった。
「ちょ、ちょっと!まだ美姫達食べてないんだけど!?そんなに急いで行かなくてもいいでしょ!」
「まあそうなんだけどさ。黒井とやる前に、鈍った身体を動かしておきたくてさ」
闇の世界での感覚を忘れたくないという想いはあったが、どこまで俺の力が引き上げられたか。
それが気になったから。
「じゃあ、沙羅が付いて行く。美姫ちゃんはまだ食べてていいよ」
この五日間、東軍でずっと俺を守ってくれていた二人も、随分強くなったんだろうな。
一人でも、生きて行ける程度には。
「……わかった。食べたら追い掛けるから、あまり遠くに行かないでよ?」
美姫の了承を得たところで、俺と沙羅はビルの外に向かった。
「今は総力戦なのか?」
「総力戦は一時間前に終わったよ。だから、街は落ち着いているはずだけど」
総力戦じゃないなら、黒井を炙り出すのは難しいか。
それでも、大友や雨村辺りがいてくれれば、力を試すには丁度いいんだけどな。
あの二人になら勝てる……なんて思ってはいないけど、勝てなければ黒井に勝つなんて無理だから。



