東京ヴァルハラ異聞録




「……この先、俺の力を感じる事があっても、それは結城昴、キミの力に他ならない。自信を持て。『俺は結城昴だ』と胸を張れ」





光に包まれた中で、高山真治の声を聞いた。


そうだ、仮に高山真治に力を貸してもらっていたとしても、それは俺という人間が存在するから。


だったら、その力も含めて俺なんだ。


「高山真治……会えて良かった」


「また、会う事もあるだろうけど、その時は全力でやろう。楽しみにしているよ」


その声が聞こえて、俺の身体は急な浮遊感に包まれた。


何度も感じた事のある、復活の前兆。







『昴くん……お願い、戻って来て』






遠くで、沙羅の声が聞こえたような気がした。


果てしなく遠くから……でも、隣で囁いているかのような不思議な声。


浮遊感が強くなった。


水中から水面に飛び出すような感覚が全身を駆け巡り……そして。







「はぁっ!!はぁ……はぁ……」






薄暗い部屋の中、目を開けた俺は、不安そうに覗き込む沙羅を見て安堵した。


「す、昴くん……」


「やあ、沙羅。そんな悲しそうな顔して……」


そう言って、沙羅の頬を撫でた。