東京ヴァルハラ異聞録


『なんだよ。話は終わっただろ』


「あんたねえ!誰だかわからないけど、人の妹の居場所教えないでどういうつもりよ!私は真由の姉なの!早く会わせなさいよ!」


す、凄く怒ってるな。


付き合いは短いけど、ここまで怒った梨奈さんを初めて見たよ。


『……誰であろうとダメだ。あんたが真由の姉だってんなら、なおさらな』


そして、また通話が終了する。


ここまで頑なに断られると、何かあるんじゃないかと思ってしまうけど……梨奈さんは退こうとしなかった。


もう一度タケさんと呼ばれる男に連絡を取ると、通話が開始したと同時に声を張り上げたのだ。


「ふっざけんじゃないわよ!あんた何様のつもり!今すぐ教えないと、そこまで行ってぶっ飛ばしてやるんだからね!」


もう、完全に喧嘩腰だよ。


肉親の居場所がわかるかもしれないとなると……まあ、そうだよな。


『……テメェ。どこにいやがる。舐めた口聞いてると、ぶっ殺すぞ!』


「おーおー、やれるもんならやってみなさいよ!万世橋にいるから来なさい!」


売り言葉に買い言葉。


だけど、そんな梨奈さんを見て、悟さんは顔面蒼白になっている。


これから何が起こるかを予感しているかのように。