東京ヴァルハラ異聞録

あれから、さらに多くの死を繰り返した。


もう、どれくらい死んだかなんてわからないくらいに。


それ故に、一度の戦いで死ぬまでの時間もかなり伸びていたのだ。


考えずに、感覚だけで戦う。


矛盾するかもしれないけれど、それが出来れば戦っている間に、敵の動きを分析する事も可能になるわけだ。


高山真治の得意なスタイルは俺とは違う。


抜刀して、右手に日本刀、左手に鞘を持つスタイル。


俺がよくやっているのと同じだ。


もしかすると、知らず知らずのうちに高山真治のスタイルを真似していたのかもしれないな。


「……そろそろかな?さあ、結城昴。俺を超えてみせるんだ」


その言葉に、俺はニヤリと笑わずにはいられなかった。


「やっと俺の名前を呼んだな、高山真治。お前に認められたみたいな気がして、なんだか嬉しいよ」


「認めるのは、俺を倒してからだよ」


そう言うと同時に、高山真治が大きく一歩踏み込んだ。


既に振り下ろされている日本刀に、鞘に納められている日本刀を抜きながら、柄尻をその腹に当てて軌道をずらした。


だが、まだ刃を抜かない。


すぐさま鞘に納め、高山真治の脇腹に蹴りを放って距離を取る。