東京ヴァルハラ異聞録

「その武器はな、相手の刃物を受け止めて破壊するのが目的なんだよ。残念だったな。俺のランスとは相性最悪だぜ?」


「そうだとしても……大切な人を見殺しには出来ない!一人で戦うって言われたけど、これ以上はもうやらせない!」


俺が弱かったから、沙羅まで。


何もしなければ、俺だけじゃなく沙羅まで殺される。


敵軍に乗り込んだ時点で、死ぬかもしれないという危険性は覚悟していたけど。


こんなに早く二度も殺されるなんて、強いヤツってのはいっぱいいるもんだな。


「だったら、お前から死ねばいい。その後にこのガキを殺してやるよ!まだお前達は俺の敵じゃねぇっ!!」


黒井がランスを少し上げ、勢いよく沙羅に突き刺した!


……と、思ったが。


何かに気付いたように、その手を止めて一歩後退したのだ。


その直後、空から降ってくる緑の影。


今、黒井がいた場所に長尺の武器を突き付けて現れたのは……。


「テメェ……秋本!」


「誰かと思えば黒井かよ。あーあー、黒崎と結城をいたぶっていたのか」


秋本が、派手なジャンプで俺達の前に現れたのだ。


「こいつらを助けに来たってのか?少し見ない間に随分仲間思いになったじゃねぇか!」


「そんなわけ……あるはずねぇよな!!篠田がいない今、お前くらいしか楽しめねぇよ!!さあ、戦おうぜ!!」