東京ヴァルハラ異聞録

「ぐうっ!!」


横から弾かれ、激しく転がる。


ただ横に薙ぎ払っただけなのに、下手すれば命を刈り取られる程の威力。


攻撃に気付いて横に飛んだから良かったものの……それでも致命傷クラスのダメージだ。


「でかい口叩いてその程度か?そんなんじゃ、自分を認めさせる事なんて出来るわけねぇだろ。オラ、立てよ」


倒れた俺にランスが向けられる。


余裕……と言うよりも、ただ遊んでいるだけのような気しかしない。


一人で挑んだものの……ここまで力の差があると絶望どころか笑えてくる。


ゆっくりと立ち上がり、脇腹を押さえて日本刀を構えた。


この間にも、黒井がそのつもりなら俺は殺されていた。


俺のわがままでさえも、目の前の強敵に自由にさせてもらっていると考えると情けなくなるな。


「昴くん!」


不安そうに沙羅が声を上げるが、俺は首を横に振った。


「一対一は一番燃えるよな!!もっと俺を滾らせろ!!命が尽きるまで俺と戦え!!」


今度は黒井が俺に向かった一歩踏み出す。


それも、ランスを突き付けるわけじゃない。


横に振って、俺に叩き付けようというのだ。


黒井の攻撃を……食らうわけにはいかない!!


そう感じた俺は、前方に飛び上がった。