東京ヴァルハラ異聞録

慌てて飛び退き、沙羅の隣に移動する。


俺の居合斬りを防がれたのは……正直精神的ダメージがでかい。


黒井が飛び込んだ時に、偶然俺が日本刀を振ったと思いたいけど。


「おいおい。せっかく殺し合うってのに後退かよ。大友、お前は手を出すなよ?こいつらは俺が殺る!」


「ふぅっ……結局お前に取られるのか。まあ、こいつらはなかなか強い。俺では勝てたかどうかもわからんからな」


そう言い、大友は隣のビルに移動して腰を下ろした。


「ここで見させてもらうぞ。敵の研究も大事だからな」


「はっ!勝手にしろよ」


ただ、仲間と話をしているだけなのに、冷や汗が止まらない。


攻めても退いても、俺が死ぬイメージしか湧かない。


完全に敗者の精神状態。


そんな中で、沙羅が俺の肩に手を置いた。


「昴くん、大丈夫だから。どんな時でも……沙羅達は一緒だよ」


普段なら「ちょっと!美姫もいるんですけど!」という声が聞こえそうだけど、さすがに美姫もそれどころではないようで。


美姫の力を借りたいところだけど……とばっちりで死にそうな気さえする。


「美姫!離れてろ!こいつは……お前の力でどうこうなる相手じゃない!」