東京ヴァルハラ異聞録

「三対一なのにどうしてこんなに強気でいられるの!?美姫達の方が有利に決まってるじゃない!」


そう、数的優位は変わらない。


だけど、単純な戦力だけで考えれば、この大友葵という男は俺や美姫より全然強いというのがわかる。


沙羅の素早さにも付いて行ける目と反応。


遠距離武器には接近して戦えというのが基本だと思うけど、こうも強い相手だと無理矢理相性を悪くさせられる。


殺傷能力は低いものの、弓での接近戦も慣れているとなれば……現段階で、隙らしい隙が見当たらない。


「雨村と言い、大友と言い……東軍は化け物揃いだな。恵梨香さんにも負けてないんじゃないか?」


「何をブツブツ言っている?仕掛けて来ないならそれで構わないが、聞こえないか?悪魔の足音が」


悪魔の足音?


大友が何を言っているかはわからないけど、確かに仕掛けないと勝てない。


それだけは揺るぎようのない事実だった。


「そうだよな。攻めなきゃ勝てないよな」


一度は回避された技。


だけど、俺の力で大友を超えるには、この攻撃しかない。


そう判断した俺は、鞘に日本刀を納めた。


「やはりそう来るか。その攻撃の速さは、恐らくこの街で最速だろう。だが、当たらなければ意味がないぞ」