東京ヴァルハラ異聞録

「ぐふっ!!」


予想外の攻撃を防ぐ事が出来ず、強烈な一撃が俺の左側の頬に直撃し、弾かれて床に転がった。


だが、その隙を沙羅は見逃さない。


大友の背後にふわりと舞い降り、それと同時にナイフを振り下ろしたのだ。


しかし、大友は素早く前転してそれを回避すると同時に弓を引き、沙羅に矢を放った。


振り下ろしたナイフでそれを弾き、攻撃を無効化した沙羅だったが、大友の反応の良さと言うか、目の良さは異常だ。


さらに、美姫が手をかざすと同時に矢を取り出してそれを投げ付ける。


「わっ!」


それに焦った美姫は、超能力で矢を防いだけれど、無駄に力を使わされた印象を受けた。


「いてて……モロに食らったな。顎がガクガクする」


「結城昴。この弓が刃物なら、お前はもう死んでいた。これが俺とお前の力の差だ」


再び弓を構えて、俺の心を折ろうとしているかのような発言。


「そうだね。刃物……『なら』ね。だけど刃物じゃないし、俺はまだ死んでない。勝負はこれからだろ」


「……強いじゃないか。諦めの悪いやつは嫌いだが、希望を捨てないやつは嫌いじゃない。だが、お前達に勝ち目はないのがまだわからないか?」