東京ヴァルハラ異聞録

その言葉に、俺は反応した。


いや、俺だけじゃない。


梨奈さんも悟さんの前に駆け寄り、服を掴んで真剣な表情を向けたのだ。


「似てるって……私の妹に?妹がどこにいるか知ってるの!?」


その必死の形相に圧されて、悟さんは困惑した表情を浮かべる。


「あ、いや……話した事はないんだ。一度見た事があるだけだから。それに、人違いかもしれないしさ……だから……困ったな」


「悟さん、実は俺も梨奈さんの妹を探してるんですよ。梨奈さんに会うまで、その人がここにいるなんて知らなかったんですけどね」


こんなに早く情報を得られるなんて思わなかった。


秋葉原に来れば、誰かしら知ってる人がいるかもしれないと思ってはいたけど。






「お願い!教えて!あの子は……真由はどこにいるの!?」







……え?


梨奈さんの妹は、真由って言うのか?


それは、沙羅が探していた友達と同じ名前じゃないか。


「あ、あの……梨奈さんの妹って、もしかして楠本真由?」


「そうだけど……私、昴くんに苗字を言ったっけ?」


「い、いえ……」


こんな所で繋がるなんて。


俺がその名前を出すと、悟さんの表情が明らかに変わった。