東京ヴァルハラ異聞録



「ひゃーっはっはっは!ここは通さねぇぞ!この田中様が……」


ビルの屋上、ボウガンを構えた田中と名乗る男が俺の前に立ちはだかった。


「邪魔」


が、わざとかと思うほど隙だらけだったから、首を刎ね飛ばして先を急いだ。


今のやつは何だったんだ一体。


まあ、たまにいるよな、あんなやつ。


気を取り直して、先を進む。


飛んで来る矢を回避するのも慣れたのか、日本刀と鞘で弾きながら前進する事が出来る。


そして……ようやく、その人物の元に辿り着けたのだ。


「はぁ……はぁ……あんただな?俺に矢を射っていたのは」


大きな弓を構え、冷たい目で俺を見詰める男に、指差して尋ねた。


「……俺の矢を避けてここまで来るとは大したやつだよ。だが、それだけだ」


矢を空間から取り出し、弦を引いて俺に向けた。


「もうあんたの攻撃は通用しない!」


日本刀を握り締め、隣のビルにいるその男に向かって飛び掛かった。


男の手から矢が放たれる。


もう、矢の速度は見切った!


日本刀を振り、俺に迫る矢を弾き飛ばそうとしたけど……。


俺の動きより速い矢が、左肩を射抜いて後方に飛んで行ったのだ。