東京ヴァルハラ異聞録

地上を走り、移動するのは沙羅と美姫がやっている。


俺はビルの上を移動しているけど、これだと俺が狙われる可能性が高い。


もしも、ビルの中を移動すれば、狙い撃ちにされる可能性はなくなるだろう。


だがそれは、この攻撃をしてくるやつが移動してもわからなくなるという危険性を伴っている。


攻撃を受けつつ、やつの居場所を特定しながら接近する。


これしかない!


狙いを定められないように、左右に小刻みに移動を繰り返し、徐々に迫る。


狙いが定まらないのか、矢が飛んで来るには飛んで来るけど、俺を捉える事は出来ない。


それでも、少しずつ矢が俺の身体を捉え始めたのだ。


左肩、右脇、左腕と、かすり初めている。


これはいずれ、確実に捉えられてしまうぞ。


もっと、もっと左右の移動を激しく、捉えられないように!


だけど、これをすると前方への移動が疎かになる。


移動よりも、回避に集中しているから仕方ないか。


と、思った矢先。


俺が着地したと同時に、矢が眼前に迫ったのだ。


「くっ!!」


予想していなかったわけじゃないから、何とか日本刀で弾く事が出来た。


それにしても……こんなに早く対応してくるか!?


全然近付けないじゃないか。