東京ヴァルハラ異聞録

瞬間、俺の眼前に矢が迫る!


「嘘だろ!?」


全く予期していなかった攻撃に、防御の手が間に合わない!


矢が眉間に触れ、そのまま俺の頭部を貫通すると、死を覚悟した時。


鞘と日本刀が反応し、俺の身体を強引に回転させたのだ。


眉間に触れた矢が、皮膚を削り取り後方へと飛んで行く。


熱く、激しい痛みが左の眉に掛けて走る。


命拾いした……けど、これは俺の力じゃない!


「邪魔するなよ!高山真治!お前の力は借りないっ!!」


これが動かなければ、俺は死んでいただろうけど、それよりも高山真治に負けたくないという想いの方が強かった。


血が流れ落ちる。


だけどそれを拭う事もせず、矢の飛んで来た方へと走り出した。


さっき、右脚を射抜かれた時、俺は超高速で矢を射ったのだと思っていた。


だけどそれなら、俺が死ぬまでマシンガンのように射続ければ良いだけ。


それがないという事は……さっきのは二本射ち。


これだけの精度で射るには、狙いを定める事は必須。


単純な事に気付くのが遅れた。


射った後は、次の攻撃まで接近する時間があるという事だ。


移動しながら、どう接近するのが良いかを考え続けた。