東京ヴァルハラ異聞録

「くそっ!」


再び障害物に隠れ、PBTを取り出して瞬間回復をする。


並のやつらが相手ならば、この傷でも戦えるだろうけど、遠距離攻撃最強クラスのやつが相手だとすれば、この傷は致命的なダメージになりかねない。


今の俺なら、無傷でやっと矢を回避出来るくらい。


それも、どれだけ遠くにいるかわからない敵の矢を回避出来る程度だ。


「圧倒的に……不利な状況ってわけか。それにしても東軍はこんなやつらばかりかよ。凄いな」


思わず出た言葉がそれだった。


秋本や久慈なんかは、東軍に来てもきっと余裕で戦えるだろうけど、今の俺ではこの矢を射っているやつ相手に戦うのも精一杯。


沙羅と美姫と合流したいところだけど……分かれていた方が敵の攻撃が分散される。


「さっきの矢は……一本目を囮に使って二本目で攻撃したのか。太陽を背にして、矢を見にくくしているってのもあるな」


状況を分析出来なければ、無意味にダメージを負いかねない。


矢が飛んで来た瞬間、回避するという方法もあるけど……いや、気付いてからでは回避は間に合わない。


こちらの呼吸に合わせて矢を射っているような気さえして。


武器で弾く事で精一杯だ。