東京ヴァルハラ異聞録

だったら、殺るしかない。


フゥッと一呼吸。


障害物から飛び出し、隣のビルに飛び移り、矢を構える人達に迫る。


俺の姿に、慌てて武器を構えた人達に刃を滑らせて、次々と斬り捨てて行く。


地上では、沙羅と美姫が案外息の合ったコンビネーションで、攻防を繰り広げている。


これなら安心だ。


目指すは……遠距離攻撃の使い手!


建物の屋上にいる人達が、俺に向かって矢を射る。


雨のように降り注ぐ矢を潜り抜けていると、その矢に隠れて放たれる、一直線に飛んで来る矢。


恐ろしく速い!


でも、一度目視出来れば、その狙いの正確さ故に防御は容易い!


眉間を隠すように日本刀を構え、飛んで来た矢を弾く。


「方向はわかった!こっちの方角に……」


矢を一本防いで、俺はいい気になっていたのかもしれない。


そんな俺の自信を打ち砕くようにして、右脚に鋭い痛みが走ったのだ。


血が噴き出し、膝がガクンと折れる。


矢が……貫通した!?


俺の脚を通り抜け、威力が落ちたのか、矢が屋上の床に転がる。


あの速度で、殆どタイムラグ無しに二本目を射ったってのか!?


それも、俺が気付かないように。