東京ヴァルハラ異聞録

横一閃。


振るった日本刀が五人の胴を上下に分断する。


俺が接近した事に気付かないならば、斬られた事にも気付いていないだろう。


自分の上半身が、崩れ落ちるまでは。


悲鳴もなく崩れ落ちた人達は、少しして光の粒へと変わり、辺りを眩しく照らす。


沙羅の方も終わったかなと、道路の方を見た時だった。


ヒュンッという、音を置き去りにした速度の矢が、俺の顔の横を通り過ぎて行ったのだ。


「!?」


慌てて矢が飛んで来た方を見るが、それらしい人は見当たらない。


光でようやく気付いた東軍の人達が、慌てて武器を構えて俺に向ける。


バラバラに射られた矢が、放物線を描いて迫る。


「違う……こんな攻撃じゃなかったぞあれは」


隣のビルに飛び移り、矢を回避するが……。


次のビルに飛び移ろうと軽くジャンプした瞬間、目の前に矢が迫っているのに気付いた。


「うわっ!?」


反射的に鞘で防いだが、矢が鞘に刺さって止まり、危うく命を落とすところだった。


「冗談じゃない!東軍に来て早々、二回も死んでたまるかよ!」


転がるように障害物に隠れて、この異常な攻撃に身震いをした。