東京ヴァルハラ異聞録

アラームが鳴る。


ビルの中に身を潜めていた俺達は、総力戦が始まると同時に外に出た。


なるべくなら雪子と遭遇しないように、東側を目指して。


「美姫、戦えそうか?」


「うん、お腹いっぱいだからね。少しは持つと思うよ」


無茶な戦い方をしなければ大丈夫そうだな。


俺と沙羅で出来るだけ戦った方がいいだろうけど、それだと美姫が強くならないというマイナス面がある。


ソウルで武器を入手して、それを強化素材にするしかないな。


「あれだけ食べて、少しは持つって凄いね。沙羅は動けないかも」


「少食気取っちゃって。お腹いっぱいじゃないとね、美姫の力は使いこなせないんだよ」


美姫の力は燃費が悪いけど、使い勝手は非常に良いんだよな。


一長一短がはっきり分かれてると言うか、使い所を間違えると使い物にならないと言うか。


それでも、美姫に期待している部分は大いにあった。


「美姫は俺達のサポートに徹してくれ。余計な力は極力使わないように」


「はーい、頑張りまーす」


軽い返事が気になるけど、俺と沙羅がしっかりしていれば問題はないだろう。


「よし、行くぞ!」


そう呟き、俺は東に向かって駆け出した。