東京ヴァルハラ異聞録

「いるもんだなぁじゃないでしょ!?あんなおっさん達の中で、昴くんが真っ先に殺されちゃったら、か弱い美姫なんて何されるかわかったもんじゃないんだからね!女に飢えてそうな顔してたし!」


「えっ!?な、何かされたのか!?」


「……何もされてないけど。すぐに殺されちゃったらさ」


少し安心……したけど、殺されてるんだよな。


もう、何が「安心」なのかわからないよ、全く。


「あの人、雨村雪子って言ってたよね?雨村雪子……東軍にいる強い人だって聞いた事がある。将太くん達が三人がかりでも、逃げるのがやっとだったって聞いたよ」


そんなやつといきなり出会ったのかよ。


そりゃあ殺られてしまうわけだ。


「いきなり東軍の洗礼を浴びた感じだよな。強くなるには、最終的に雨村雪子を倒さなきゃならないって事か」


恵梨香さんや黒井、名鳥もいるって言うのに、まだ強いやつが出てくる。


「今回の敗因は、私達が戦闘体勢に完全に移行する前に攻撃された事だと思う。これからは、人を見たらいつでも戦えるようにしないと、また殺されてしまうかもしれないね。相手が誰でも、全力でやらないとさ」


沙羅にそう言われて、俺は頷いた。


そうだ、ここは東軍なんだから、恵梨香さんが北軍で暴れていたくらいの事をしなければ生きていられないんだ。