東京ヴァルハラ異聞録




緩やかに意識が覚醒して行く。


夢から覚めた時のように、唐突に現実に引き戻される感覚。


闇に溺れそうになりながらも、また俺は光に救われるように息を吹き返した。


「ぷはっ!!はぁ……はぁ……」


目が覚めたのは、東軍に入ってすぐのビル。


念の為にとホームポイントを設定した場所だった。


「あ、昴くんと沙羅ちゃん。やっと復活した。美姫、待ちくたびれてお腹ペコペコだよ」


俺と同じタイミングで起きた沙羅を見て、退屈そうにソファに座っている美姫に目を向けた。


「や、殺られたのか……俺と沙羅が今復活したって事は……美姫は無事だったのか!?」


頭を押さえて起き上がり、状況を整理する為に尋ねたけど、美姫は首を横に振った。


「そんなわけないじゃん。みーんな殺されて、私は昨日復活したけど、昴くんと沙羅ちゃんは復活まで二日かかったんだよ。普通なら一日で復活するのにね」


……そうか、皆殺されたのか。


俺ならまだしも、沙羅まで殺られるなんて。


「ははっ……あんなに強い人といきなり出会うなんて。油断をしたつもりはなかったのに、いるもんだなぁ」


感心している場合じゃないのはわかっているけど、こんなにも強い人といきなり遭遇するなんて。


正直舐めてかかっていたから、気を引き締める良い機会になった。