東京ヴァルハラ異聞録

「はん!気に入らないのは変わらないね!表に出なよ。この辺りで私より目立つやつは痛い目を見させてやるって決めてるんだ。なぁに、殺しゃしないさ。敵でもない限りはね」


眼鏡を掛けた、胸の大きな女性。


身長も態度もでかくて、ここにいる男を従えているだけはあると言った感じか。


「よ、弱ったな……俺達はそういうつもりじゃなかったんです。ただお腹が空いたから、ここに入っただけなんですけど」


強くなる為に来たとは言え、酔っ払いに絡まれるのは正直嫌だな。


それに、この女……ただならぬ雰囲気を醸し出している。


「この店に入ったのが運の尽きと思いな。ほら、早く出な」


これはダメだな。


言う事を全く聞いてくれないタイプの人だ。


美姫がまだ満腹じゃなさそうだけど、逃げられそうにもないし、やるしかないか。


「……わかりました」


この場を切り抜けるには、この人を倒すしかない。


「……やっぱりあんた、東軍の人間じゃないね」


そう呟いた女性が、巨大な刀を取り出し、立ち上がった俺に突き付けた。


即座に反応し、日本刀を取り出した俺は後方に飛び退いて構える。


「……影が青。あんた、西軍の人間だね?」