俺達はビルの中に入り、応接室のような部屋でホームポイントを設定した。


バベルの塔にほど近いこの場所を、拠点にしている人はいないだろうと信じて。


「じゃあ、行こうか。沙羅は東軍に来たことはあるの?俺は初めてなんだけど」


「何度かあるよ。特に他の軍と変わらない印象を受けたけど……どこの軍も強い人は強いからね。東軍は……そんな人が多い気がする」


沙羅が言うなら、そうなんだろうな。


そんなやつらに会わないように、出来るだけ自分達に近いやつらと戦って強くなりたい。


「早く行こうよぉ。お腹減ったよぉ」


美姫が俺の腕を掴んでブンブンと振る。


ルークとの戦いで、俺達の補助をする為に力を使ってくれたから、その分空腹になっているのだろうな。


それなら、東軍に入る前に食べれば良かったけど、ここまで来たら仕方がない。


「じゃあ……行くか。腹ごしらえもしなきゃならないし、何もしないければ強くはなれないからな」


カモフラージュ機能を使い、影の色を変えて外に出た。


清澄通り。


大きな通りに出て、辺りを見回すけれど、場所が場所だけにやはり人の姿はない。


とは言え、どこから見られているかわからなから油断は出来ないけれど。