東京ヴァルハラ異聞録

そして移動したビルの屋上。


恵梨香さんの力を確かめたいと言った、将太の真意はわからない。


この戦いに意味があるのかは、俺にはわからないけど……将太からしてみれば、大きな意味があるのだろう。


「こちらは三人。俺と麻衣、龍拳でやらせてもらいます」


「……三対一か?随分と私を評価してくれているじゃないか。だが、試すと言うには三人がかりは卑怯ではないか?」


三人と向かい合った恵梨香さんが、フッと鼻で笑って見せた。


「俺達は、連携が得意なもので。もしも不満があるなら、あなたも誰か味方に付けていいですよ。人数が同じなら、俺達が負けるはずがないですから」


得意な土俵で戦うのは、戦闘の基本だけど。


つまりこの戦いは、自分達の連携が強者を相手にどこまで通用するかを確かめたいという事か。


恵梨香さんの力を確かめようとしているわけじゃない。


そして、恵梨香さんが援護要請をするはずがないと判断してそう言ったに違いない。


この勝負、やはり三対一に……。


「そういう事なら、私のパートナーを選ばせてもらおうか。昴少年、お前だ。手伝え」


「……は?お、俺?」


予想外の言葉に、俺はおかしな声を上げた。