東京ヴァルハラ異聞録

エレベーターに乗り、神凪がいるというフロアにやって来た。


会議室にいるようで、部屋の前までやって来ると、中でバタバタと音が聞こえているのがわかる。


「神凪さん?失礼します。秋本を……連れて来ました」


「は!?なんで秋本がいるの!?そんなのおかしいでしょ!あいつを連れて来るって……いや、マジでありえないし!てか、今はダメだって!」


部屋の中から、神凪らしき女性の声が聞こえて来たけど……想像していたのと違う。


もっとこう、大人しいというか、落ち着いたような感じの人だと思ったんだけど。


その声だけで、そうではないとわかった。


「めんどくせぇな。どけよ」


少しイラついたのか、秋本が将太を押し退けてドアを開けた。


すると、部屋の中には、着替え中なのか下着姿の女性がこちらに背中を向け、慌てて振り返ったのが見えたのだ。


「ぎゃーーーっ!!あんたマジ最低!人が着替えてんのに何勝手に開けてんのよ!」


「あー、うるせぇ。相変わらずだな」


そんな姿にも秋本は全く動じず。


吉良や拓真、悟さんは何とか見たいと部屋の中を覗いているのに。


「き、着替えるから待ってなさいよ!ホントに……マジないわ。常識ってものを考えろっての!」


パーテーションに隠れ、神凪はブツブツと呟いていた。