東京ヴァルハラ異聞録

「いやいや、秋本が暴れたら、武器が破壊されてる俺は間違いなく死んじゃうぞ?頼むから刺激しないでくれよ?」


……そうだ、悟さんは恵梨香さんのトンファーで武器が破壊されたんだった。


「好きにしろよ。神凪相手に暴れる気はねぇよ」


「そう……信じますよ。秋本さん」


話は付いたみたいで、俺達は神凪がいる場所へと移動をする事に。


神凪派の領地である、隅田川から向こう側。


平時とはいえ……このメンバーで歩いているなんてかなり異色だな。


全てを綺麗さっぱり忘れる事なんて出来ないけど、恨みや憎しみを、希望で上塗りする事は出来る。


吾妻橋を渡り……案内されて到着した場所。


そこは、優花さんや舞桜を連れて行ったあのビルだった。


「ここは……そうか。だからここに避難したんだな」


神凪がいるから……そう考えれば、わざわざ目立つこのビルに避難したという事も腑に落ちる。


「こんな所に……何も変わってねぇな、あいつは」


ビルを見上げた秋本は、少し寂しそうな目で。


「神凪さんは……気難しい人だ。特に、東軍の死神。あなたは気を付けた方が良い」


将太がそう言うと、恵梨香さんは不思議そうに首を傾げた。