東京ヴァルハラ異聞録

「何よあの女……昴くんにベタベタして!ふんだふんだ!」


美姫が悟さんの隣でそんな声を上げている……。


「まあ、昴と黒崎は仲が良いからな。なんなら俺は空いてるけどどう?」


一体何の話をしてるんだよ悟さんは。


「冗談でしょ……それはない。うん、ない」


美姫のその言葉で、悟さんはガックリと肩を落として愛美に慰めてもらっている。


そんな話はどうでも良いんだよ。


それよりも、神凪派がどう動くかが気になるわけで。


「……わかった。神凪さんに会わせよう。だけど約束してもらう。何があっても、神凪さんには手を出さないと」


「出て来ないのが気に入らねぇが、わかったよ。約束してやる」


さっき、話し合いの中で聞こえた言葉が少し気になるな。


秋本と神凪がどうとか。


いがみ合っているのはわかるけど、それなら絶対に会わせようとはしないと思うけど。


そうじゃない何かがあるって事なのかな?


そういう駆け引きは俺には良くわからない。


特に、他軍の事であればなおさら。


「では、私達も同行しようか。万が一秋本が暴れた時に、貴様らでは抑えられないだろう?」


そこには、あわよくば神凪も仲間に引き入れようという恵梨香さんの想いを感じたけど……あえて何も言わなかった。