東京ヴァルハラ異聞録

「うるせぇな。何も今行くって言ってるわけじゃねぇだろ。このデカブツを一人で倒せねぇようじゃ、バベルの塔に登ったところで頂上まで行けるとは思えねぇからな。その時になったら……だ。それで良いんだろ?それまでは、強くなる為に戦い続ければ良いわけだ」


秋本が来てくれるとなれば……確かに心強いけど。


それにしてもこんなに簡単に来てくれるなんて思わなかった。


「話が早いな。この街はヴァルハラと言ったか。勇者の魂が集められ、己を鍛える為に戦い続ける。正しくヴァルハラだな。その時が来るまで、思う存分鍛えるがいいさ」


「はっ!お前こそ、話が早いじゃねぇか。それまでは、西軍だろうが東軍だろうが、容赦なくぶっ殺させてもらうぜ」


つまり、これまでと変わらないという事か。


だけど、バベルの塔を目指すという目的が生まれたわけだから、以前のような人質をとったり見せしめで人を殺すことはない……と信じたい。


「沙羅も行くよ。昴くんと行くつもりだったもんね」


沙羅がそう言ってくれるけど、神凪派の三人はお互いに顔を見合わせて悩んでいるようだ。


「俺達は……まだ何も言えない」


将太がそう言うと、秋本はチッと舌打ちをした。