東京ヴァルハラ異聞録

「昴くん、ごめんね。沙羅、誤解してた」


「わかってくれたから……いい」


沙羅の言葉にそう呟くと、俺を優しく包み込むように、沙羅が抱き締めてくれた。


温かくて……安らぐ。


沙羅と一緒にいる時が、一番落ち着く。





「やれやれ。敵軍のど真ん中でいい気なものだな。これが若さか?」






そんな俺達を見て、恵梨香さんが鼻で笑った。


「はいはい、誤解が解けたって事で。これからどうするんだ?ルークは倒した、黒崎に会えた。で?仲間を集めるのか?」


愛美がそう言うと、恵梨香さんは思い出したように。


「おお、そうだな。貴様らの中に、我々と一緒にバベルの塔に向かう者はいるか?このくだらない殺し合いを終わらせる為に」


と、そう尋ねたが、当然誰も乗り気ではなくて。


むしろ、疑わしい目で恵梨香さんを見ていた。


「いや……いきなりそんな事言われてもさ。バベルの塔を登れば願いが叶うって噂は知ってるけど……でも、噂だろ?」


「龍拳の言う通りだよ。誰も登った事がないのに、どうして願いが叶うなんてわかるのよ。そんなのおかしいじゃない」


龍拳、そして麻衣が信じられない様子で笑って見せた。