東京ヴァルハラ異聞録

ルークを倒し、ひと段落したところで、再び睨み合うように対立する俺達。


秋本派、神凪派だけではない。


俺達もそこに巻き込まれるようにして。


「……テメェらがいなくても、俺達だけでこんなやつ倒せたんだよ」


第一声、秋本が言った言葉はそれだった。


明らかに、皆が力を合わせたから勝てたというのに。


その言葉に、龍拳がムスッとした表情で前に出るが……将太がそれを止める。


「と、言いたいところだけど、お前らがいなきゃ倒す事は出来なかったな。それに……敵軍のお前らも」


そう言い、俺達を見た。


「なになにー、わかってんじゃないの。最初っから素直にそう言ってれば、俺達も変に怒ったりしないよー?」


秋本の言い方だと、龍拳がそう言いたくなる気持ちもわかる。


「ふん。北軍の派閥争いが酷いと言うのは本当のようだな。協力して敵を倒した後でも、手を取り合う事は出来ないのか?」


恵梨香さんが前に出て、そう言っている間にも、俺はチラチラと沙羅を見る。


だけど、沙羅は俺を避けるように目を合わせようとしない。


以前はあんなに笑顔を見せてくれていたのに……。


やはり、梨奈さんを助けられなかった事が原因なのかな。