東京ヴァルハラ異聞録

日本刀の柄を口にくわえ、両手を天にかざす。


急降下を始めたビルの残骸が迫り……俺と拓真がそれを受け止めた。


ダメージは少ないとは言え……この超速度で叩き付けられれば、レアリティの低い武器なら即死も有り得るほどの衝撃!


「ぐっ!!これは……きついな!!」


「踏ん張れ!拓真!!」


俺達が感じる衝撃の全てが、盾を伝わりハルベルトに流れ込む。


イージスの盾の反射と合わせて、その威力は倍増。


そして……ガクンと、足場が一段落ちたような感覚が足に伝わった。


ハルベルトが……ルークの頭蓋骨を粉砕し、脳に突き刺さったのだ。




「アギャッ……」



そんな小さなルークの悲鳴。


それが見えたのか、ビルの残骸がフワリと浮いて、人がいない場所にゆっくりと置かれた。


俺達も、安心した瞬間バランスを崩して盾の上から崩れ落ちる。


「はぁ……はぁ……ど、どうだ化け物が!!俺達の勝利だ!!人間を舐めるんじゃねぇぞ!!」


活動を停止したルークの上で、ハルベルトを振りかざして秋本が声を上げた。


それに合わせて、集まっていた人達からも歓声が上がったのだ。


神凪派とか秋本派とか……そんなのを超えた一体感。


それは、敵軍である俺にも心地の良いものだった。