東京ヴァルハラ異聞録

「そんな事!!おい!皆続け!このチャンスを逃すなよ!!」


秋本に否定された悟さんが声を上げると、足を止めていた北軍の人間が、ここぞとばかりにルークに襲い掛かる。


当然、鎧に覆われている場所を攻撃しても、全く意味をなさないのだが。


「秋本さん!!そのまま構えててください!!」


そう言って飛び掛かったのは吉良。


鎖分銅を巻き付けた拳を、ハルベルトの石突きに打ち付ける。


ドゴンという強い振動と共に、ハルベルトの穂先が僅かにルークの頭部に食い込む。


「こ、これでもまだダメなのか!?」


殴り付けた吉良が、諦めかけたその時。


さらに黄色い影が落ちる。


「秋本!黒部!そのまま構えていろ!強烈な一撃を食らわせてやる!!」


金髪を振り乱し、トンファーを回転させて急降下をする恵梨香さんの姿がそこにあった。


「西軍に……東軍の死神までいやがるのかよ!!」


そう声を上げた秋本だが、それでも恵梨香さんの言う通りにハルベルトをしっかりと固定して上空を見上げる。


自分の力で何とかしたい……だが、この巨大な化け物は一人の力ではどうする事も出来ない。


そう判断したのだろう。