東京ヴァルハラ異聞録

砂埃を舞い上げ、巨体がビルを巻き込んで道路に倒れる。


破壊音が辺りに響き、ビルにもたれかかるようにしてルークが天を仰いだ。


「はぁ……はぁ……や、やった」


「う、うん……信じられないけど……」


拓真と麻衣が安堵の吐息を漏らすけど、まだ終わってはいない。


「今のうちにこいつの頭部を破壊するぞ!」


俺が声を上げると、そんなのわかっていると言わんばかりに秋本が飛び上がって。


「北軍でもねぇテメェが指示してんじゃねぇっ!!こっちはとっくにそのつもりなんだよ!」


ハルベルトをルークに向けて、渾身の力でそれを突き付けたのだ。


ルークの眉間が切り裂かれる!


……が、秋本の一撃でさえ、頭蓋骨は破壊出来ないようで。


「くっ!堅すぎるだろ!」


そう叫んだと同時に、秋本の頭上に青い影が落ちる。


「俺もやらせてもらう!!」


それは……悟さんだった。


秋元よりも高く、速度の乗った攻撃を、ハルベルトの穂先が刺さる場所に突き刺したのだ。


微かに、メリッという音が聞こえるが……それでもルークの頭部を貫く事は出来ない。


「俺が無理なんだよ!!テメェ如きがやれるはずがねぇだろ!!」