東京ヴァルハラ異聞録

その部分に、鎖分銅を解いたハルベルトを突き刺す。


だが……秋本の攻撃でさえ体毛に邪魔されて、ダメージを与えられない。


「チッ……俺の攻撃が通らないとか、ありえねぇだろ!」


そう言い、チラリと背後を見た秋本は、麻衣に向かって跳んだのだ。


「えっ!?な、なにっ!」


「俺を弾きやがれ!!」


麻衣が慌ててイージスの盾を構えて、飛び掛かる秋本に向けた。


盾に着地するように足を付けて、秋本は狙いを定めてルークの足首を見る。


「麻衣!押し出せっ!!」


将太の声に、麻衣は思い切り盾を押し付けた。


秋本が弾かれる。


そのタイミングで盾を蹴り、速度を増した秋本が、ルークの足首に迫った。


「これでどうだよ!化け物が!」


超高速の矢と化した秋本がハルベルトを突き出し、それが足首に刺さる。


「グゥアウッッ!」


頭上から、空気を震わせるような低い声が出て……ルークの足が、弾かれるように上がったのだ。


それは、人間が初めてルークに対して傷を付けた一撃。


「よし!麻衣!ルークの足の下でイージスの盾を構えろ!」


その様子を見て、将太が声を掛けたが……麻衣は震えて、首を横に振った。