東京ヴァルハラ異聞録

「なんて言ったけどさ……どうやって戦えばいいんだよこれ」


吉良が、手に巻き付けた鎖を握り締め、拳をルークの足に叩き込む。


が、当然鈍い音を立てただけでほぼダメージはない。


こりゃあダメだ……というような、諦めにも似た表情で頭上を見上げる。


「吉良!まともに戦うな!ダメージが通らないなら、通すようにするんだよ!」


秋本の無茶とも思える要求に、溜め息を付いたが……吉良は、目の前で僅かに動く岩石の鎧の隙間に目を向けた。


「これは……もしかして」


吉良が何かを思い付いたのと、秋本がそこに飛び掛かったのはほぼ同時だった。


足首の隙間に、ハルベルトが突き刺さる。


それに合わせ、吉良が鎖分銅を投げ付けて、柄に巻き付けた。


「オラ!引けっ!」


秋本の声と共に、吉良が鎖分銅を引く。


拓真も慌ててそれを掴み、力を込める。


「北軍を……人間を舐めるんじゃねぇっ!」


その咆哮と共に引っ張ったハルベルト。


ルークの足首の鎧の一部が……剥がれ落ちたのだ。


その部分から、僅かに見えるルークの体毛。


この鎧がどんな風に付いているのかはわからないが、頭部以外で露出した場所だ。