東京ヴァルハラ異聞録

それだけではなかった。


落下した人達を空中で受け止め、それを口に運んで喰らう。


「あぎっ!」


「ぎゃっ!!」


短い悲鳴と共に、血が口から噴き出して光に変わる。


沙羅も龍拳も、それを止めるほどの余裕はない。


「このままじゃ埒が明かねぇぞ!どうする沙羅!」


「どうするって……将太くん達を信じるしかないよ!」


二人はルークを引き付ける為の囮。


ルークを倒せるほどの武器を持っていないという事は誰の目にも明白。


そして、二人にルークを引き付けるように言った将太は、そのタイミングを見計らっているようだった。


「……何を狙ってるんだ!?言えよ!それを待ってても無駄に時間が経つだけだろうが!」


なかなか動きがない事にイラついたようで、秋本が声を上げた。


「麻衣のイージスの盾で、こいつを弾き飛ばす。踏み付けられた力をそのまま返して、ひっくり返すんだ」


「攻撃をそのまま跳ね返すイージスの盾……か。仕方ねぇ、俺達がその隙を作ってやる!失敗したらぶっ殺すからな!」


「失敗したら……そのまま俺達は死んでしまうよ」


将太の返事を聞くより早く、秋本は辺りを見回した。