東京ヴァルハラ異聞録

「ふざけるなよデカブツがっ!!北軍で暴れやがって!」


龍拳がその身軽さを活かし、ビルを駆け上がりルークの頭部に向かって飛び掛かる。


両手に装着した手甲鈎を目に振り下ろすが……ルークは瞼を閉じ、その攻撃を防いだ。


毛が手甲鈎を邪魔して、ダメージが通らない。


「毛深すぎるだろ!ふざけんな!」


龍拳がそう吠えた直後瞼が開き、巨大な目がギロリと睨み付ける。


その目に恐怖を感じ、龍拳は慌てて肩を蹴り飛び退いたが……ルークの口が開き、食いちぎろうと迫ったのだ。


「や、やばっ!」


食われる……と思ったその瞬間。


「油断しちゃダメ!!」


沙羅が龍拳の腕を掴み、ルークの鼻に足をかけると強引に引き上げた。


ルークの口が、今、龍拳がいた場所で閉じられる。


「あっぶね……サンキュー沙羅!」


「足を止めないで!普通の敵とは違うよ!」


沙羅と龍拳がルークの鼻を蹴り、将太に言われた通りに引き付ける役に徹しているが、どうも分が悪そうだ。


ブンブンと腕を振り回し、周囲のビルを破壊しながら、飛び回る二人を叩き落とそうとルークが暴れる。


ビルの上で矢を射っていた人達が、それに巻き込まれて地面に落下する。