東京ヴァルハラ異聞録






「これ以上進めさせるな!死ぬ気で止めろよ!!」


ルークを前に、戦闘の指揮を執っているのは秋本。


ブンブンと振り回すルークの腕を掻い潜り、攻撃を加えるが、その強固な鎧の前にハルベルトも歯が立たないようで。


攻めあぐねているのがわかる。


「沙羅!龍拳!こいつを引き付けろ!俺と麻衣で足を止める!」


ルークの足元で、その巨体を見上げて震える麻衣と、秋本に合わせて指示を出す将太。


「おい!神凪派!俺が一撃を入れる隙を作れよ!!こうも暴れられたら頭まで辿り着けねぇ!!」


将太と麻衣の横に着地し、そう言った秋本。


派閥が分かれて、いがみ合っていても、強大な敵を前にすれば協力するしかない。


ここで敵対すれば、目の前の巨体は止められないだろうから。


「わかってる!!お前がいなければ、こいつを止める事は出来ないだろうからな。隙は作ってやる、その代わり絶対に仕留めろよ!」


「はっ!誰に言ってやがるんだよ!俺を誰だと思ってやがる!」


将太の言葉に、秋本が笑ってハルベルトを構える。


こんな状況でも笑っていられるのは、自分に絶対の自信があるからだろう。


それが、秋本の強さに繋がっているのだ。