東京ヴァルハラ異聞録

その後、優花さんと共に子供達を連れてやって来たビル。


洗剤なんかで有名な会社のビルだが、当然この世界ではただの建物の一つだ。


「ありがとうございました。ここで大丈夫です。もしも、あの化け物と戦いに行かれるのでしたら、気を付けてくださいね」


「ありがとう。行ってきます」


優花さんと舞桜、そして子供達に手を振って、俺達はルークがいる方へと向かった。


ここまで来て、カモフラージュはもう意味を成さない。


武器を取り出して高速移動を始めた。


「さてさて?結城は随分ママに優しかったけど、本命は誰なんだ?ほら、言ってみろよ」


走っている最中にも、愛美が茶化すように俺に尋ねる。


「そ、そんなのどうでもいいじゃないか!この街で、子供達の面倒を見てるなんて凄いなって思っただけだよ」


川沿いを移動し、恐らくルークがいるであろう浅草通りを目指す。


「確かにあれは、なかなか出来る事じゃない。私はどうなっても構わないから子供達を……なんて、言えないぜ?優花さん、良い人だな」


「はーん?悟はあんな人が好きなんだ?ほーん?」


今度は悟さんが標的になったようだ。


こんな話をしている間にも、破壊音が近くなって来る。