東京ヴァルハラ異聞録

「そりゃあそうだよな。あんな化け物を倒すつもりなら、派閥がどうこう言ってられないから」


目的地は決まった。


今すぐにでも行きたいけど……子供達をこの場に置いては行けないか。


「とりあえず、この子達を避難させましょう。ルークが来ても、大丈夫な場所に」


「だが、大丈夫な場所とはどこだ?地下鉄が走ってはいるが、両国駅は東軍になる。地下は行けないぞ」


あれが暴れれば、そんな場所なんてないかもしれないんだよな。


どこに避難させれば良い……と、頭を悩ませていた時だった。


「あ、あの……避難場所なら一つ心当たりがあります。隅田川の近くに大きなビルがあるんですけど、そこに連れて行ってくれませんか?」


大きなビル……?


ルークに対してそこが安全とはとても思えないけれど、優花さんには何か考えがあるのかな。


だけど、それがわかっているなら俺達が連れて行かなくても……と思ったが。






「ママー!ヒロちゃんがおしっこ漏らしたー!」


「えっちゃん!!そっちに行かないで!こっちに来なさい!」






……移動するのもままならないのが良くわかったよ。


確かにこれは、一人では避難が遅れてしまうな。