東京ヴァルハラ異聞録

「どうしたの?舞桜ちゃん。早く行きましょう」


ママと呼ばれた人が舞桜の肩に手を置き、俺の方を見た。


その瞬間……。





「昴!!昴!」





天馬の腕を離し、舞桜が俺に向かって駆け寄って来たのだ。


「舞桜!良かった!」


そして、飛び付くようにして俺に抱きついた。


「良かった……ずっとお礼が言いたかったのに……全然会えないんだもん!」


「どこにいるかわからなかったからな。でも、本当に無事で良かった」


喜ぶ俺と舞桜を、悟さん達が困惑した目で見る。


「……お前さ、一体どれだけの女に手を出してるわけよ。しかも……美姫もいる目の前で」


激しく誤解をされている!


舞桜とは何もないし、美姫とだって何もないのに!


「はぁ……そういう事ね。昴くんは年下好きだったかぁ。なるほどね」


いやいや、美姫まで!


「他軍に恋人を作るとはなかなかやるではないか。若いのだからな、それくらいはまあ良いだろう」


恵梨香さんは恵梨香さんで妙に納得してるし!


こういう時一番何かを言いそうな愛美が何も言わないのが救いか。


「……死ね」


その言葉が一番深く突き刺さった。