東京ヴァルハラ異聞録

俺を擁護する悟さんの言葉に、愛美は驚いたような表情を浮かべた。


「ちょ……悟!あんたまで何言ってんの!勝機があるならって、ないから北軍に追っ払ったんでしょうが!そんなものがあるなら、とっくに倒してるっての!!」


……愛美の言葉が的確過ぎて何も行えない。


今の俺達では勝機どころか、あの頑強な鎧や毛皮をどうやって攻略するかさえ掴めていないのだから。


「むう……こんな時、黒井や名鳥がいてくれればな。私のトンファーでは、ルークを倒すには至らない」


黒井と名鳥……両国で俺を助けてくれたあの二人か。


ナイトすらも一撃で倒すほどの強さの持ち主だ。


一人では勝てなくても、何人がかりかで挑めば倒せるかもしれない。


だが、ここにいないなら、考えても仕方がない事だ。


「でもさ、考えてみてよ愛美。こんな危機的状況なんだ。神凪派も秋本派も関係なく戦ってる……とは思わないか?いくら総力戦じゃないからって、こんなに静かなのはおかしいだろ?」


ここにいた神凪派も、ルークを止める為に戦いに向かったってわけか。


そう考えると……沙羅もルークの所にいる可能性があるって事か。


そう考えて、音がする方向を向いた時だった。