東京ヴァルハラ異聞録

だが、美姫は軽トラをまだ支えているのか、身動きが取れない様子で。


「美姫!飛び降りるぞ!」


「そう思うなら早く降りてよ!」


俺が降りたら本当に美姫は飛び降りるのか?


星4レアだから、この程度の高さなら大丈夫だと思うけど……なんて考えてられない。


「ほらっ!飛び降りるぞ!」


「えっ!?わわっ!」


動こうとしない美姫を抱きかかえて、俺は軽トラから飛び降りた。


下は道路、ポーン達の縄張りからはもう離れている。


地面に着地し、美姫の重量が一気に身体中を駆け巡る。


「ふぐっ!!」


それでも何とか耐えて、美姫を地面に下ろした。


自分一人だと、ビルの屋上から飛び降りたって平気なのに、体重が軽そうな美姫を抱えててもモロに重量が身体に掛かってくるとは。


「ちょ、ちょっと!美姫はそんなに重くないでしょ!?」


慌てて美姫がそう言うが、俺に言われてもな。


「なんとか皆無事だったみたいだな。北軍にも入れたし、結果オーライってやつか?」


悟さん、愛美、恵梨香さん。


皆が駆け寄って来て、無事だったという事がわかった。


ここから……北軍に行く。


沙羅に会うだけでも、神凪派との戦闘は避けられないだろう。


それでも、俺は皆と一緒に一歩踏み出した。