東京ヴァルハラ異聞録

「この軽トラにしよう。皆、乗って乗って」


美姫に促され、俺は躊躇なく軽トラの荷台に乗った。


でも、他の三人は疑わしいような表情で。


「いやいや、本当に車を動かせるわけ?瓦礫を動かしたのは見たけどさ……なんかね?」


それよりも、駆け抜けた方が確実だと愛美は言いたそうだな。


「疑うのはわかるけど、やってみてダメなら、別の方法を考えれば良いだろ?とりあえず信じてみてよ」


俺がそう言うと、皆顔を見合わせて。


軽トラの荷台に次々と乗り込んだのだ。


そこに美姫も乗り、準備完了。


「じゃあ……行くよ?落ちないように掴まっててね」


そう言って、美姫が足元に右手を向けた。


瞬間、ふわりと浮かび上がる軽トラ。


信じていなかった愛美も、道路からタイヤが離れて信じざるを得なくなったようだ。


「ほ、本当にこのまま行くのか!?まだ心の準備が……ああああぁぁぁぁ……」


悟さんが言い終わるより早く、軽トラが動き出した。


それも、ゆっくりではなく結構なスピードで。


ポーン達の頭上を飛び、眼下にいるポーン達が俺達を見る。


何も出来ずに、吠えているだけ。


「こいつは凄いな……移動にも使えるとは。他にも使い所がありそうだ」