東京ヴァルハラ異聞録

美姫の話はすべきか悩む。


守られないといけないほど、美姫は弱くないと俺は知っているから。


だけど……あの力の事を話すべきなのかどうかの判断がつかない。


「確かに、西軍にいる間は問題ないとしてもさ、北軍に行くとなると邪魔なんだよね。千桜の話だと、戦えないんだろ?戦えないやつはこの街では何の役にも立たないしさ。戦えない割に飯はよく食うし」


痛いところを愛美が突いてくる。


「だ、大丈夫ですよ。美姫は……皆が思ってるほど弱くはないですから。俺達とは違う、特別な力を持っているんです」


黙っていられるなら、黙っていようと思った。


でも、俺達と一緒に敵軍に侵攻するなら、知らせておいた方が良いと思ったから。


「特別な力って……なんだよそれ。超能力でも使えるってのか?」


「さ、悟さん……知ってたんですか!?」


思わずそう返事をしてしまい、皆は苦笑いを浮かべるだけ。


突拍子もないというか……信じられない事を言っているのはわかる。


それでも、こんなにドン引きされるとは思わなかった。


「結城……お前、頭大丈夫かよ」


愛美にわりと真面目に心配されてしまった。