東京ヴァルハラ異聞録

「東駒形……神凪派にいる、沙羅の所に行きたいです」


あの日、梨奈さんが殺された時に、麻衣達に連れ去られた沙羅。


無事なら良いんだけど、全く音沙汰がないのが気になる。


まあ、所属する軍が違って、連絡を取る手段がないから仕方ないとは思うけど。


「なんで私がガキの色恋沙汰に付き合わなきゃならないんだか……」


「そう言わないで愛美。考えたらワクワクしないか?これから強い人達を仲間にしてさ、一緒にバベルの塔を目指すんだよ?賞金ランキングのトップ10が並ぶかもしれないじゃないか」


悟さんが目を輝かせているのを、愛美は呆れたように溜め息をついて首を横に振った。


「男っていつまで経っても子供だよな。私からしてみれば、結城も悟も同い年くらいに見えるわ」


「男はいつまでも少年なんだよ。な、昴?」


と、言われても……俺はまだ高校生だし、18歳までの男しか経験していないから何とも言えない。


「まあ、理由はなんだって構わないが。それよりも、あいつを本当に連れて行くのか?お前達ならいざしらず、あいつを守りながら戦うなんて事は出来ないぞ?」


そう言い、恵梨香さんが指差したのは美姫。


ルークの脅威がなくなったからか、サンドイッチを食べながらこちらに向かって歩いて来ていた。