東京ヴァルハラ異聞録

「ほらほら、どうした?それでは私は捕まらんぞ?」


ビルを飛び降り、光の壁を背にして立った恵梨香さん。


ルークは恵梨香さんを踏み潰そうと足を上げたが、それよりも早く股を潜って後ろ側に移動。


地面を踏みしめ、激しい揺れが俺達を襲った。


恵梨香さんの姿が見えなくなった……その事で殺したと判断したのだろうか。


ルークはまたゆっくりと動き始め、北軍の光の壁をものともせずに通り抜けて……北軍に入って行ったのだ。


「た、助かったのか……危なかった。お前達が来てくれなければ、あの化け物を止められなかったかもしれない」


突然のルークの襲来に疲弊したのか、橋本さんが地面に座り込んで俺を見る。


「い、いえ……どうにかしてくれたのは恵梨香さんで、俺達は何も出来ませんでした」


そう言い、恵梨香さんを見ると、橋本さんは立ち上がって。


「……ドクロのフルフェイスにライダースーツ。そして黄色の影……死神か。ここは礼を言うべきなのだろうが……なぜ結城達と一緒にいる?」


剣を取り出し、恵梨香さんに向けて尋ねた。


「仲間集めだ。バベルの塔を目指す為のな。強い者でなければあの塔は登れないからな」


堂々とそう言った恵梨香さんに、橋本さんはどんな表情をすればいいのかわからないといった様子だった。