東京ヴァルハラ異聞録

だが……恵梨香さんの攻撃でさえも、ルークにダメージを与えられないようで。


恵梨香さんに顔を向け、振り落とそうと身体を揺すり始めたのだ。


「おっと、鬱陶しいか?ならば私を捕まえてみろ」


振り落とされないように、ビルの屋上に戻った恵梨香さんが、ルークを挑発する。


すると、西軍の内側を向いていたルークが、恵梨香さんの方に向きを変えたのだ。


「ま、巻き込まれるなよ!回避しろ!」


足が動き、足元では西軍の人達が混乱している。


俺も、ルークに踏み潰されないように必死に逃げる。


「ほら、こっちだ。鬼ごっこは得意か?」


恵梨香さんを叩き潰そうと、ルークの腕がビルを粉砕する。


動き自体はそれほど早くはないルーク。


容易に回避し、北軍の方に向かって移動する恵梨香さん。


それを追って、ルークも移動する。


今まで、足元をいくら攻撃していても向きを変えなかったルークが……北軍の方を向いたのだ。


ダメージを与えるには至らない……だが、北軍に追い込む。


ただ、力でぶつかるだけではダメだという事を、恵梨香さんが教えてくれるように示してくれた。


強さもだけど……俺達とは経験が違うといった感じだ。


こいつの名前がルークだと知っていたようだし、その対処法もわかっているみたいだ。