東京ヴァルハラ異聞録

「むっ!なかなか良い動きだぞ!」


いつの間にかビルの屋上に移動していた恵梨香さんが、俺達を見て感心している。


褒めてもらって嬉しいけど……悟さんを上に上げる為に飛んだ俺は、地面に落下している。


体勢を整えて着地し、素早く後方に飛んでルークを見上げた。


悟さんの槍が……頭部に突き刺さった。


巨大な化け物と言えども、頭部を破壊されたら死ぬだろう!


と、思っていたけど。


「くっ!嘘だろ!?刺さらない!」


渾身の槍の一撃は、ルークの頭蓋骨を貫くには至らなかったようだ。


何度も槍を頭部に突き刺すが、ルークにダメージはないようで。


「こんなやつ、どうやってやれって言うんだよ!!」


ムキになって槍を突き刺そうとする悟さん。


それを鬱陶しいと思ったのか、ルークが首を縦に振り、悟さんがバランスを崩して頭部から落下した。


さらに……空中の悟さんにルークの右腕が迫る。


「し、しまっ……」


慌てて槍を構えて防御体勢を取ったが、ルークの右手に弾かれ、道の脇に建つビルに叩き付けられ、窓を突き破ったのだ。


なんて……化け物だよ。


何としてでも止めないと、本当に西軍は壊滅してしまうかもしれない。