東京ヴァルハラ異聞録

あの質量の物が落ちれば、元の世界ならこの辺りは既に壊滅状態だっただろう。


そうならなかったのは、この世界だという事が大きいだろう。


「み、皆大丈夫か?全く……何だってんだよ今のは!」


尻餅をついた悟さんが起き上がり、ルークが落ちた方向に顔を向けて不安そうに呟く。


いや、悟さんだけじゃない。


あんなものが落ちたのだから、ここにいる全員不安でしかないだろう。


「橋本さん達は……大丈夫なのか?てか、なんであんなのが街中に現れるんだよ!」


「文句を言っていても仕方あるまい。理不尽というものは、生きていく上で必ず付きまとうものだ。特に……この世界ではな。バトルは一時中断だ。ルークを見に行く、付いて来い」


そう言い、恵梨香さんは中央通りの方に向かって駆け出した。


「そ、そうだな。橋本さん達が心配だ。ルークとやらが落ちた所に行ってみよう」


悟さんも走り出して、愛美もそれに続いた。


俺も行きたかったけど……まだ美姫が帰って来てなくて、コンビニに走った。


「あいたた……今の何?死ぬかと思ったよ本当に」


ドアが開いて中に入ると、美姫が床に座って頭をさすっていた。


さっきの衝撃で何かが落下して頭に当たったのか……。


と言ってもダメージなんてないだろ。


「美姫、大変な事が起こったんだ。さあ、早く行くぞ」